宮城県内に未曽有の被害をもたらした
東日本大震災から2年になろうとしています。
この間,被災地の復旧復興に向けて,
京都県人会の皆様をはじめ,全国の皆様からの御支援と御協力の下,
県民一丸となって最大限の力を注いでまいりました。
県では,「宮城県震災復興計画」(平成23年10月策定)を着実に推進するため,
「宮城の将来ビジョン・震災復興実施計画」を平成24年3月に策定するとともに,
平成24年を「復興元年」と位置付け,河
川や道路,漁港,港湾など公共施設や農業施設の本復旧工事,
新たなまちづくりのための区画整理事業を開始するなど,
復旧・復興に向けた取組を本格化させたところです。
しかしながら,特に被害の大きかった石巻市や気仙沼市などの
沿岸部を中心とする被災地においては,
生活再建や地域経済の立て直しなどの課題が山積し,
いまだ厳しい状況にあります。
県としては,早期の復興に向け,被災市町と一体となり
一層のスピード感を持って復興事業を推進し,
県民の皆さまが復興の歩みを実感できるよう,
引き続きしっかりと取り組んでまいります。
具体的には,被災者の生活再建と生活環境の確保に
向けて様々な支援を行うほか,
災害廃棄物については県内処理の拡大に努め,
平成25年度中の処理完了を目指してまいります。
被災された方々の生活再建には,
地域における雇用の確保が必要であることから,
産業の再生を着実に進めていきます。
特に沿岸部の早期事業再開,企業誘致や地元企業等への販路開拓,
技術支援に注力し,「富県宮城の実現」に向けた経済基盤の再構築を図ってまいります。
また,農林水産業の早期復興を目指し,
生産基盤の一層の復旧に努めるとともに,
担い手の確保・育成対策や新しい経営形態の導入などに積極的に取り組むほか,
公共土木施設については,
特に震災で大きな被害を受けた沿岸地域の復興まちづくりに重点的に取り組んでまいります。
さらに,宮城の未来を担う子供たちが,
安心して学べる教育環境を確保するための施策の充実に努めるほか,
防災機能・治安体制の回復に向けて,地域防災計画の見直しや
防災体制の再整備を重点的に進めてまいります。
また,東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故による
様々な影響について,不安解消や風評払拭に取り組むとともに,
事業者などの損害賠償への支援を行ってまいります。
今春の4月から6月にかけては,
5年ぶりに全国大型観光キャンペーンの
「仙台・宮城デスティネーションキャンペーン」が開催されます。
本県の置かれている状況を全国に発信できるまたとない機会ですので,
震災発生からこれまでの間に賜ったたくさんの御支援に対する感謝の気持ちを込めて,
全国からのお客様を温かくお迎えしたいと考えております。
県政における最優先課題は,震災からの1日も早い復興です。
平成25年度は,「宮城県震災復興計画」に掲げる
「再生期(平成26年度〜29年度)」を視野に入れ,
発展の「種」をまくことができるよう,
復興に向けた取組を加速させてまいります。
復旧・復興への道のりは長く険しいものですが,
10年をかけて震災前の状態に戻す「復旧」にとどまらず,
将来の県民生活を見据えた本格的な再構築による
ふるさと宮城の再生と更なる発展を目指して,
積極果敢にチャレンジしてまいります。
明るい未来を目指しながら,県民の皆さんと手をつなぎ
一緒に進んでまいりたいと考えておりますので,
ぜひ全国の皆さまの御支援をお願いいたします。 宮城県知事 村井嘉浩